にじ魂>哲学

何事にも例外がある

人間が作ったルールは、それを厳格に運用しようとすると自縄自縛状態になって行き詰ってしまう事がある。
その場合「ルールを守らなくても良いケース」と言うのを認めると上手くいくようになる。
例を挙げるなら「人殺しはいけない」というルール。これを絶対に守ろうとすると死刑制度も正当防衛も認められなくなってしまう。そうなると大変な不都合が生じるわけだ。
これに「悪人は殺しても良い」という特例を認めさえすれば問題は生じない。

言語による情報伝達には限界がある。それゆえに人間の作ったルールには常に伝達漏れ、「穴」が存在する。
その「穴」を埋める為には「例外」が必要だ。
例外を前提にしておけば、人は完全な論理を構築する為に言を尽くす必要がなくなり、精神的にも楽になる。

ゲーデルの不完全性定理では「無矛盾の理論体系のなかには肯定も否定もできない証明不可能な命題が必ず存在する」とされている。
これはつまり「どんなモノにでも矛盾点が存在する」という意味なのではないだろうか?
その矛盾を解消するには例外を認める以外にない。そうしなければパラドックスに陥ってしまうのだから。
事実として嘘つきのパラドックスの解決方法には発言者を例外と看做す手法が用いられている。

ただし例外を認めることは、「ズル」「反則」を認めるのと同じであり、その命題の正しさを否定する事でもある。
例外を許容しなければ論理的に破綻してしまうし、例外を認めれば それはそれで論理的には破綻している。
これ自体が実にパラドックス的である。

by 箱男:2007年01月23日 10:43|目次 新着コメント
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